今回の特集は、★データで見るDSとPSP★さんのデータをもとに分析したものです。
社会現象とも思えるDSの売れ方に疑問を持った僕は、一体なぜこんなにも売れ行きを伸ばしているのか、その要因をデータを参考にしながら探ってみました。
検証その1.販売台数の伸び率
まず最初に、その週の販売台数が、前の週までの累積販売台数の何%分売れたのかを算出してみました。具体的に見てみましょう。
まず2004年12月第1週に発売が開始されたDSは、その週に441485台を販売しました。そして次の週には、この441485台の内の41.050%に値する181231台が販売されました。
この伸び率は、2005年2月第3週まで徐々に下がり続け、それ以後の伸び率は1%台が続きました。
ところが2005年3月第4週。その伸び率が3.460%(60507台販売)に急上昇します。翌週は2.421%の伸び率(43806台販売)を記録します。この週に発売されたソフトが「タッチ!カービィ」だったからだと思われます。
この後伸び率は2%を切りますが、その直後、2005年4月第4週には伸び率が3.825%(72767台販売)に回復!翌週・翌々週も3%前後の伸び率を保ちます。これは「nintendogs」が発売されたことが要因でしょう。
しかしこれ移行、伸び率は2%程度(4~6万台)にとどまります。
そして2005年11月第4週。その伸び率がなんと4.655%(162398台)にまで上昇し、その勢いは年末商戦の主役といえる勢いを見せます。
11月第4週、4.655%
12月第1週、4.259%
12月第2週、7.768%
12月第3週、9.306%
12月第4週、13.710%
翌年1月第1週、8.006%
この理由は、きっと「おいでよ どうぶつの森」にあるのでしょう。300万本のセールスを記録し、いまや社会現象にもなりつつあり、現在も売れ行きが好調の「どうぶつの森」が、DSの売り上げに貢献していたことは、数字から見ても間違いありません。年末商戦に発売されたソフトに「もっと脳をきたえる・・・」や「マリオカート」もありますが、「どうぶつの森」の勢いが大きな波になり、あとのソフトも売れていったのでしょう。
そしてこの頃にDSの国内累計販売台数が500万台を突破しますが、以降も伸び率を押し上げるきっかけがいくつも出てきます。
1月第5週、えいご漬け発売。伸び率が1.974%に。
3月第1週、DSLite発売開始。伸び率が2.168 %に。
5月第4週、Newスーマリ発売。伸び率が3.710%に。
7月第4週、新色ノーブルピンク発売開始。伸び率が2.708%に。
こうして伸び率が急上昇した時期以外は、2~3%(約20万台)をほぼ毎週キープしています。
一方のPSPのほうはどうかというと、実は2005年の年末商戦前までは、伸び率に関してはほぼ互角でした。ただ、初めの頃に起きたPSPの生産が遅れたことが、現在まで引きずっているようにも見て取れます。
そして2005年の年末商戦。このときに完全にDSに軍配が上がってしまっています。年末年始のPSP伸び率の最高は、2005年12月第4週の6.202%です。同じ時期のDSの伸び率は13.710%。その差は歴然としています。
検証その2.DSとPSPのシェアを比較
次に見る数字は、DSとPSPの国内累積販売台数の合計のうちの何%のシェアをそれぞれが獲得しているかを見てみたいと思います。具体的に、DSとPSPが共に市場に出始めた2004年12月第2週で比較してみましょう。
2004年12月第2週。この週までのDSの累積販売台数は622,716台。
方やPSPの累積販売台数は、なんとわずか166,074台です。
この数字をシェア比率であらわすと
DS、78.946%
PSP、21.054%
2004年12月第1週に販売し始めたDSの、その週の売り上げが441,485台。翌週が181,231台だったのですが、それでもPSPの販売台数は当初から少なかったのです。
この要因として、PSPの生産が需要に追いつかず、品薄状態が続いたことが考えられます。
2006年1月になるとPSPとDSのシェアは縮まり始めます。2006年中ごろまで、PSPとDSの差は縮まる一方でした。しかしそのPSPのシェアも、2005年6月第3週の38.803%を最高に下降に転じます。
決定打になったのは、2005年の年末商戦です。2005年12月第4週で、PSPのシェアは35%台から33%台に急落します。
やがて5月に入り、PSPのシェアはついに30%を切ります。そして現在(2006年7月第4週の数字)、DSとPSPのシェアは、DS 72.431%、PSP 27.569%です。
長い目で見ると、DSとPSPのシェアは約7:3の割合で常に推移しています。また現在のDSの品薄状況は2004年末のPSPの品薄とは性質が異なり、生産体制が整った上での品薄ですから、DSとPSPとの差がなかなか縮まらないのでしょう。
これまでのデータの検証から見えてくるPSPの敗因は以下の3つです。
1.スタートダッシュの失敗。
2.キラータイトルが圧倒的に不足。
3.2005年末商戦での完敗。
これらの要因が重なった結果が、現在にまで至っているのでしょう。逆に言えば、DSはこれらと反対のことが起きた結果が今のような状況を作り出したといえるかもしれません。
DSに対して辛酸をなめ続け、負け犬とさえ揶揄されるPSPに、果たして逆転の機会はあるのでしょうか。次回の特集はそんなお話。