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「SIREN」と「MGS」を比較する

GLB Topics

・・・・・。こんなタイトルを書くと、ゲームとして全く別物だと怒られるかもしれませんが、あえて比較します。そうすることで両者の良い点・改善すべき点がみえてくる、かも。

ステルスアクションという共通点を持つ両ゲーム。その表層と深層を読み解く。

※ここでの「SIREN」は1と2を、「MGS」は1~4(PSP版MPO含む)を指す事とします。

基本的に、SIRENのゲームデザインはMGSのエクストリームに匹敵すると思います。

---「命がけ」のベクトル

ステルスゲームの醍醐味。それは敵との「命がけのかくれんぼ」。見つかるか見つからないか。この緊張感があってこそのステルスゲーム。

ただ「命がけ」という枠組みのつくりがSIRENとMGSでは若干違います。

MGSでは敵に見つかると、敵の仲間がやってきてボコボコにされます。

SIRENではどうか。SIRENでは基本的にプレイアブルキャラクターは、ステージを徘徊する敵から数回の打撃攻撃や2発程度の銃弾で簡単にやられてしまいます。MGSで例えれば、MGS2難易度エクストリームのサイファーやオルガが徘徊しているようなもの。

潜入任務のエキスパートと、普通の人間。このプレイアブルキャラクターの性質に違いがあるため、「恐怖」の作り方が違ってくるわけですね。

 

MGSでは伝説の傭兵が主人公なのですから、それと相対する敵兵は人海戦術をとろうとする。

SIRENでは非力な登場人物ばかりなので、敵は人海戦術を撮るまでも無い。

プレイヤーに「命がけ」になってもらうためのゲームデザインは、プレイアブルキャラのパラメータ次第で左右されてしまうのです。

 

---敵AI ~敵の視界と警戒レベル

敵は今、どこを見ているのか。

MGS1・2では敵の視界がレーダーに表示されましたが、MGS3以降では視界レーダーは存在しません。

SIRENでも視界レーダーは存在しません。その代わりに存在すのが幻視(視界ジャック)というわけです。

視界レーダーと視界ジャック。両者の大きな違いは、敵が見えている範囲でしょう。

SIRENの視界ジャックでは、例え画面上に操作キャラが映っていても敵には見えていないということがあるわけです。そのため、「今自分が見えているのか見えていないのかが分からない→緊張感が発生」という構図が生まれているわけです。

ただ、MGSとSIRENにおける「視界」のつくりは似ているかと。

足音や物音が敵に聞こえると、MGSでは敵の視野が広がります。おそらくSIRENでもそういった仕様になっているのだと思います。

また、敵の警戒レベルの仕組みも似ていると思います。

MGSでは基本的に、敵に気付かれていない「潜入フェイズ」、敵が怪しんでいる「警戒フェイズ」、敵に気付かれた「危険フェイズ」に分かれています。おそらくSIRENも同じでしょう。

 

---プレイヤーの心に訴えかけるもの

両者の全体像の圧倒的な違い。それは「恐怖」にどれだけ重きを置いているか、ということ。

SIRENは、そりゃもうあからさまに恐怖を煽る仕掛けが存在します。BGM、グラフィック、肉眼の視界の狭さ、暗闇、物の怪と化した人間‥‥。「恐怖を煽るための道具」としての「ジャパニーズホラー」

ではMGSはどうか。MGSは「恐怖」というよりも「緊張」に重きを置いているようです。それはMGSの根底にある「潜入任務」という要素があるから。

「ホラー」のSIREN、「潜入任務」のMGS。ステルスアクションという大きな幹から枝分かれした二つのゲームの根本的な違いはここかもしれません。

 

---自由度

自由度。それはプレイヤーのプレイスタイルにどれだけ選択肢の幅を設けるかということ。

自由度の高さでいうと、MGSはかなり高いものがあり、その高さはシリーズを重ねるたびに高くなっていきます。

一方のSIRENはというと、ステルスアクションというジャンルが持つ潜在的な自由度はありますが、相対的にみるとMGSよりも低いでしょう。

自由度を産み出す要素はいろいろあります。しかしより大きな影響力を持つ要素が「モーション」でその次が「武器・アイテム」はないでしょうか。MGSもSIRENも、シリーズを重ねるごとにモーションの数や武器・アイテムの数が増え、それによってプレイスタイルに幅が生まれ、自由度も高くなっています。

自由度が高いからこそ、「ノーキルプレイ」「CQC縛りプレイ」「視界ジャック縛りプレイ」といった様々な楽しみ方が生まれているのです。MGSにいたっては「ステルス迷彩」というアイテムまで登場。ゲームデザインの根本をも否定する楽しみ方だって出来ます。

また自由度が高いことで、通常プレイでも戦略に幅が生まれ、様々な攻略方法が存在することにもなります。

 

しかしこの自由度を高くすることは、ゲームそのものが持つストイックさを削ってしまうという、ある種の諸刃の刃でもあります。

MGS1やSIREN1には存在しなかった要素がMGS2やSIREN2で追加されたことで、ゲーム攻略が簡単になってしまい、物足りなさを味わったプレイヤーもいたことでしょう。

 

個人的な意見ですが、自由度に関して、MGSは率先して高めてもいいと思いますが、SIRENは慎重を喫した方がいいと思うのです。

MGSは戦略諜報アクションです。様々な選択肢から、その場所の状況にあった移動ルートや攻撃方法を考えなければなりません。そのためには、より多くのモーションと、より多くの武器があってしかるべしです。

しかしSIRENはというと、ゲーム内の行動でフラグを立てることに重きを置いた、アドベンチャーの性質が高いステルスアクションです。ですから、解法が10個や20個あってはいけないはずです。限りあるアイテム、限りある武器、限りある銃弾を駆使してシナリオを達成していくことに醍醐味があると、私は考えます。あなたはどう思います?

もっといえば、ゴリ押しでクリアすることが不可能なくらいのゲームデザインが似合っていると思うのですが‥‥

 

---緊張と笑い

最後のテーマがこんなものでいいのでしょうか?(笑)

MGSとSIRENとの密かな違い。それが「笑い」というスパイス。

さすがに僕も、「敵の目を釘付けにするグラビア雑誌」がSIRENに登場したら引きますよw

 

ただ、「緊張と弛緩」という振り子のふり幅が大きいほど、そのインパクトは大きくなるといわれてます。

だとすれば、MGSとSIRENにおける「緊張と弛緩」の扱い方には大きな違いがあると思う。

相対的に見てもMGSはSIRENとは比較にならないほどの「笑い」や「ネタ」が詰め込まれている。

それはなぜか。

やはりそれは単純に、SIRENに「笑い」は基本的に必要ないから。

MGSは「笑い」を反動にして緊張の感じ方を高くしている、とでも言いましょうか。緊張の度合いが「5」であるならば、その反動で「笑い」の度合いを「5」にすることで、感情の触れ幅を「10」にしているかんじ。これをMGS方式と呼びましょう。

一方のSIRENは、反動なしに強烈な「恐怖」で緊張を一気に「10」まで振り上げている。だから笑いという反動はSIRENには必要ない、と。あったとしても微々たるものです。これをSIREN方式と呼びましょう。

SIREN方式の問題点は、振り子が常に「緊張」方向にしか振れないということ。長時間の緊張は精神衛生上、あまり良いものだとは思えないのですが‥‥‥。

 

SIREN方式のもう一つの弱点が「慣れ」です。緊張状態も慣れてしまえば振り子の振れ幅が小さくなってしまいます。

だからSIRENでは様々な「インパクト」が時系列的に増えていく仕様になっているように見えます。

 

でもさすがにその点は創り手もわかっているみたい。

SIREN1の話ですが、前田知子の最後のシナリオは、ゲーム中唯一といってもいい、緊張の糸が緩むステージです。そんな緊張の糸が緩んだ状態でシナリオを達成したあとに、あの映像ですからねww

 

 

 

 

 

ここまでいろいろ語りましたが、いまだに実際に遊んだことが無いSIREN。どうやら遊ばざるを得なくなってきたような、そんな気がします。ただ、攻略映像を一度見てしまった以上、SIRENの醍醐味を味わうためには、一度時間を空けなければならないでしょうね。

SIREN3が今年の夏に出るという噂もありますが、その前に僕は個人的に、2008年はMGS4の年にしたいと思ってます。だからSIRENを遊ぶのは、2008年代3四半期以降になるかと。

 

MGSシリーズ攻略のスーパーサブである私が、一度は超えなければならない壁。それがSIRENだと思ってます。しかもSIREN1ね。SIREN2はお試しプレイしたけど、自分にはSIREN1攻略を化せられているような、そんな気持ちになってしまいます。SIREN2はその次だ。

 

SIRENチームと僕との一騎打ちの日はそう遠くありません。まってろSIREN!せいぜいSIREN3ではまともなチュートリアルとUFOエンディングを作っとくんだな!!

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