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【MGS4】『Metal Gear Solid 4』の話をしよう

    Metal Gear Solid 4

    世界が認めるゲームデザイナーであり、「メタルギア」シリーズの生みの親である小島秀夫(以下、小島監督)が直接のディレクションを手がける、最後のメタルギア。それがこの『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』(以下、MGS4)だ。

    小島監督最後のメタルギア監督作品。この言葉にどれだけの意味があるのか。これまでのシリーズを遊んだことの無い方にはいまいちピンと来ないかもしれない。その理由を具体的に書いたらきりがないのでここでは割愛させていただくが、例えるならば、スマブラの生みの親である桜井政博氏が「もう僕はスマブラはつくらない」と宣言するようなものだといえば、その意味が何となく分かっていただけるだろうか。ただしこの「メタルギア」には20年という歴史がある。20年近く同じ人物によってディレクションされてきたゲームであるが故に、その意味合いは「スマブラ」よりも重いものがあるだろう。

    本作は小島監督最後のメタルギアであると同時に、主人公ソリッド・スネークを中心としたメタルギアの物語の完結篇でもある。「ファイナルファンタジー」や「バイオハザード」など、世の中にはいくつものゲームシリーズがあるが、20年近く同じキャラクターが主人公となっているゲームはそう多くは無い。そしてさらに、同一の主人公がシリーズを重ねるごとに時系列的に年老いていくというシリーズも、そう滅多にない。あの「マリオ」でさえ、ある種「サザエさん」のように歳を取らないのだから。

    ただ厳密に言えば、前作MGS3の主人公と、本作MGS4の主人公は、別人だ。だが別人であって、別人ではない。

    MGS4での主人公ソリッド・スネークは年老いた姿で僕らの目の前に姿を現す。時系列的にはMGS2の5年後の物語がこのMGS4だ。しかしたったの5年の歳月が、スネークの肉体を「運命付けられた老化」が蝕んでいった。もはやその姿はソリッドではなく、オールド・スネーク。しかし一通りMGS4をプレイすることで、彼の精神は未だにソリッドであることが感じ取れる。

    プレイヤーである貴方は、そんな老いてもなお戦いに身を投じる主人公オールド・スネークを操作して、彼の物語を終結させることとなる。そしてそのスネーク最後のミッションとは・・・・それは、自分の存在を抹消すること。

    「メタルギアソリッド」はステルス・アクションと呼ばれるジャンルに相当する。要は、敵から身を隠して目的の場所へ進んでいく「かくれんぼ」だ。本作MGS4でもその要素は変わらない。ただし、本作では状況が違う。それまでは「敵地に潜入」することがルールだったのだが、MGS4の潜入場所は「戦場」だ。プレイヤーはある任務の為、第3者的存在として戦場に潜入することになる。

    敵でも味方でもない存在であるが故に、潜入の仕方が単なる「かくれんぼ」ではないのだ。通常のかくれんぼならば、敵に見つかったら直ぐに侵入者として排除されてしまう。だがMGS4では直ぐには排除されない。なぜならプレイヤーは一般兵にとって「第3者」。見た目で直ぐに敵なのか味方なのか分からないのだ。

    ここからがMGS4ならではの潜入方法となる。敵なのか味方なのか分からない状況を利用して、プレイヤーはまずある判断が求められる。「仲間の立場になるか、敵の立場になるか」、だ。そしてそれを「行動」で示す必要がある。

    A軍とB軍が戦っているとする。その時にプレイヤーがB軍を攻撃してA軍の加勢をすれば、A軍の兵士はプレイヤーを味方であると認識し、好意的に接してくれる。その逆にA軍を攻撃すれば、A軍の兵士はプレイヤーを敵であると認識し、排除しようと攻撃してくることになる。

    MIDDLE EAST MILITIA SAFE HOUSE

    MGS4のシステムを単純に説明するとこうなるのだが、このシステムにさらに「SOPシステム」という概念が組み込まれる。これはMGS4の物語と深く関わってくる為、ここでは割愛させていただくが、簡単に説明すれば、A軍を攻撃すればB軍はプレイヤーを味方と判断するが、B軍を攻撃することでA軍はプレイヤーを味方と判断するかといえば、そうではない、というものだ。このシステムが結果的には、戦場の一般兵全員がプレイヤーを敵とみなすという最悪の状況を作り出すことが可能になっている。これはこれで面白いものがあるので、一度遊んでみてもらいたい。

    私が思うにこのMGS4には2つのメッセージがこめられている。ひとつは物語に組み込まれた作品のテーマ。そしてもうひとつが、20年間メタルギアを応援してくれたファンに対する感謝のメッセージだ。

    個人的には後者のメッセージが痛いほど嬉しかった。もちろん前者のメッセージもグッと来るものがあり、ふと思い出して考えてしまうことも幾度もある。ただ、ゲーム中に「小ネタ」としてちりばめられた幾つもの「ファンへの感謝の現れ」に触れるたびに、自分の感覚が「あの頃」にタイムスリップしてしまい、時に涙を誘うこともあった。

    そういった意味では、このMGS4は「続編」としての「あるべき形」を具現化したゲームともいえるだろう。

    しかしながら、シリーズのファンではない方にもオススメしたいゲームだ。

    まず、ミリタリー系のTPSやFPSが好きな方。MGS4は前作までと違い操作方法がTPSに近いものがある。基本の移動は通常の3Dアクションゲームのように、スネークを中心にカメラを360度回転させることが出来るのだが、銃を撃つときなどはカメラが瞬時にTPSのように肩越し視点へと切り替わる(まるで『バイオハザード4』か『Gears of War』のよう)。そこからさらにFPSのような主観カメラへと切り替えることも出来るので、自分のプレイスタイルにマッチした戦闘が楽しめる。さらにMGS4では70近い武器が出てくるが、そのほとんどが実際の戦争で使われている兵器なので、ミリタリーファンにもオススメできる。

    MIDDLE EAST RED ZONE

    次に、血を見るのが苦手だという方。いくらゲームとはいえ、ドバァーと血が出る場面や、人が死ぬ姿を見たくない方も多いだろう。小島監督としては、「傷つくと人は血が出るということにウソはつけない」という思いがあるそうだが、一応、出血表現をオプションでオフにすることも出来るので、不快な思いを軽減することは出来る。とはいえ他の3Dアクションゲームに比べても、MGS4は基本的にグロテスクな表現は無いといって差し支えない。

    ただし潜入場所が「戦場」である以上、人は死にます。そこから逆に戦争の愚かさを感じ取ってもらえれば幸いである。

    また、MGS4に限らずこの「メタルギア」シリーズは、敵を殺すことをマイナスに評価するゲーム。麻酔銃などの非殺傷武器を用いて戦場をかいくぐることで、様々な形でより高い評価を得ることが出来る。戦場へと潜入する本作でもそのシステムは変わらない。非殺傷での攻略は若干難易度が上がるが、寧ろ非殺傷プレイこそが「メタルギア」の本来の遊び方だということを分かっていただければ幸いである。

    アクションゲームが苦手な方にもオススメしたい。MGS4は全シリーズ中、最も簡単であるといっていいと思う。難易度選択が可能で、一番簡単なモードで取りあえずエンディングまでいこうと思うのであれば、それはそれはいとも簡単にエンディングまでいけてしまう。逆に最高の難易度で、最高の評価をもらおうとすると、それはそれは大変な苦労を伴う。コアなアクションゲーマーから、苦手な方まで楽しめる、MGS4は懐が深いゲームだ。

    さらにアクションが苦手でRPGしか遊んだことが無いという方も楽しめると思う。MGS4のストーリーは感情を揺さぶられる場面が何度もある。男である僕ですら、泣いてしまった場面があるほど。ストーリー性に定評のある「メタルギア」シリーズだが、MGS4は前作MGS3とは違った形で胸を打たれる。

    「メタルギア」シリーズのストーリーは、女性からの支持も熱いそうだ。シリーズの同人誌を作っているのは専ら全員が女性という話もある。彼氏や旦那さんがプレイするMGS4を横から見て楽しんでいるのだろう。

    さらに「戦争経済」というフレーズに興味のある方にもオススメ。日本人には馴染みは無いのだが、今の世界は既に「戦争」さえも「経済活動」の一部となっている。そんな「戦争経済」がMGS4の物語の軸になっている。MGS4の物語はフィクションだが、その元となっているのは今僕たちが生活している「現実」の世界だ。

    SOUTH AMERICA POWER STATION

    『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』は、遊べば遊ぶほどに発見がある。とにかくここには書ききれないほどの「驚き」が詰まっている。全部の称号を獲得し、15周目に突入した僕が言うのだから信じて欲しい。

    小島監督はゲーム創りは「人を知ること」であると語っている。ゲームを通してプレイヤーに「サービス」を提供する以上、ゲームを遊ぶ人の立場になって調整を行い、細かいところまで修正する。そしてそこに様々なプレイヤーがアッと驚くような「サービス」を仕掛けて遊んでもらう。その為には、プレイヤーがどんな人なのかを考えること、つまり「人を知ること」でゲームは面白くなるのだという。

    MGS4には小島監督から全世界のPS3ユーザーへ贈る最大級の「サービス」が詰まっている。これを遊ばない理由があるだろうか。

    METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS
    発売: コナミデジタルエンタテインメント
    開発: 小島プロダクション
    監督/プロデューサー: 小島秀夫
    プロデューサー: 今泉健一郎
    ディレクター: 村田周陽
    アートディレクター: 新川洋司
    プラットフォーム: PLAYSTATION 3
    レーティング: CERO “D”(+17)

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    [...] 単純に、これまで遊んだゲームや、遊びたいゲームを紹介するコーナーです。でも、文面はブログっぽくない、かっちりとしたものになってます。とても真面目に書いてます。第1回目はやっぱり『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』にしました。こうした紹介ページを、コンスタントに増やしていこうと思っていますので、長い目で見守ってくださいね。ちなみに、第2回目のテーマは未定であります。 [...]