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『Six Days in Fallujah』の話をしよう

    Six Days in Fallujah

    『Six Days in Fallujah』というゲーム、貴方は知っていますか?
    発売はされてないし、『週刊ファミ通』などで取り上げられたこともないので知らない人が多いでしょうね。
    でもご存知の方も少なからずいらっしゃるはず。
    今回は、このゲームの話です。

    この『Six Days in Fallujah』は、「イラク戦争」を題材にしたTPSゲームです。

    もう一度言いますね。

    この『Six Days in Fallujah』は、2004年11月にイラク・ファルージャで行われた「イラク戦争」での戦闘を題材にしたTPSゲームです。

    デベロッパーは「Atomic Games」で、パブリッシャーは「Konami」。
    2010年に発売される予定でした。

    (参考)
    Konami、イラク戦争を忠実に描く新作シューター『Six Days in Fallujah』を発表(Game*Spark)
    Konami、イラク戦争を題材としたゲーム『Six Days in Fallujah』を発表(PS3 FAN)
    コナミが海外でイラク戦争を題材にしたSix Days in Fallujahを2010年に発売(XNEWS)

    ところが、米の退役軍人や兵士の遺族、市民団体から批判が相次ぎました。まぁ、題材が題材だけに当然のことでしょう。

    (参考)
    イラク戦争をゲーム化した『Six Days in Fallujah』に、早くも批判の声が相次ぐ(Game*Spark)
    Six Days In Fallujahに対して一部の退役軍人や遺族が反対を表明(XNEWS)

    結果、コナミは「新しいジャンルに取り組もうとしたが、社内外の声などを総合的に判断し、取り扱わないことを決めた」、「米国での反応や、電話やメールで寄せられた意見を見て、数日前、取り扱わないことを決めた。戦闘の事実を伝え、現場にいるのがどういうことかを感じてほしいという意図だった。まだ販売の検討段階にはなかった」として、発売を中止する決定を下すのです。

    コナミ、イラク戦争を舞台にしたゲーム『Six Days in Fallujah』取り扱いを断念(PS3 FAN)
    イラク市街戦をゲーム化、米で批判受け断念 コナミ(XNEWS)

    ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

    以上がこの『Six Days in Fallujah』をめぐる「発売中止」に至る流れです。

    じゃあここで、僕自身が思ったことを書きますね。

    (※ 意見には個人差があります)

    Six Days in Fallujah

    僕はね、最初「イラク戦争」を題材にゲームを開発しているという話を聞いたとき、何と思ったと思います?

    「なんてとんでもないゲームを作ろうとしているんだ!バカじゃないのか!?」

    ‥‥という感じじゃなかったです。

    むしろ、その逆でした。

    「イラク戦争を取り上げるということは、開発者は「かなりの高いリスクを負っている」と言う自覚はあるはず。そんなリスクを承知の上で‥‥凄い!どんな作品になるんだろう?」

    と思いました。

    おかしいかな?

    でもね、開発スタッフの「意思」を見たとき、「きっといいゲームに仕上げてくれるはずだ」という思いを感じました。

    開発元である「Atomic Games」の社長、Peter Tamte氏の言葉です。

    「エンターテイメントでありながらプレイヤーをいかに戦争の恐怖へ直面させるのかというだけではなく、ゲームにしかできない方法でプレイヤーがいかにして歴史的場面の洞察を得られるかということが、我々にとってのチャレンジです。我々の目標は、この事件の中で海兵隊であるというのはどういうことか、民間人であるというのはどういうことか、武装勢力であるのはどういうことかを伝えることです」

    誤解を恐れずに僕が思ったことを書くと、僕はこの『Six Days in Fallujah』のテーマは「反戦」なんじゃないかと思ったんです。

    「反戦」をテーマにゲームを作るのであれば、なにもイラク戦争を題材にせず、別の方法で作る事だって可能でしょう。

    でも、時事的なノンフィクションの題材を扱うことで、ゲームというエンターテインメントが「たかがゲーム」ではなくなるような気がします。

    もうひとつ。第二次世界大戦を題材にしたゲームはかなりありますよね。で、その中で描かれるのは「アメリカの正義」であったり、「連合国の正義」だったわけです。

    「悪の枢軸国 Vs. 正義の連合国」のような構図。

    でもイラク戦争は、決して「連合国が正義」じゃなかったわけです。
    もっといえば、「アメリカの失敗」という側面すらあります。

    それをゲームにする‥‥なんだか「ゲーム」という呼び方が相応しくないという気もしますが、とにかくひとつのメディアとして残す。これって北米ゲームとしてもかなり異例のことだと思ったんです。

    だから僕は非常に画期的なことだと思ったし、『Six Days in Fallujah』が出た後に、このゲームを元に「イラク戦争」とはなんだったのかを議論するきっかけになったりするかもしれない。そう思ってたんです。

    批判が出ることは分かってる。でも、形となったものをみてから、ちゃんと評価したいじゃないですか。
    「イラク戦争」を扱うから、という理由だけで頭ごなしに批判することは、僕はしたくなかったです。

    もしもゲームとして発売され、その内容に酷いものがあったとしたら、その時は僕だって容赦なく批判すると思います。

    ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

    ただ、この『Six Days in Fallujah』は、パブリッシャーであるコナミが発売を取り消したというだけであって、別なパブリッシャーによって発売されるという可能性は残されています

    また、デベロッパーである「Atomic Games」は「ぜひ完成させたい」という意思があるとのこと。

    Atomic GamesはSix Days in Fallujahの開発継続を希望(XNEWS)

    「ベトナム戦争」を題材にしたゲームは過去にはあったようですが、
    「イラク戦争」という、時事的にも宗教的にもゲーム化が困難であろう題材を、一体どのように扱い、一体どのようなゲームにするのか。
    単なる娯楽作か。単なるエンターテインメントか。それとも何らかのメッセージ性があるのか。

    戦争、宗教、テロ‥‥さまざまな障壁がこのゲームには立ちはだかることでしょう。
    それでも開発を継続し、完成させたいという思いが彼らにはあるということなのでしょうか。

    『Six Days in Fallujah』の今後の展開に、密かに注目していきたいと思ってます。

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